個別銘柄解析~KDDI(9433)
こんにちは、Dr.Dです。前回は、個別株分析としてイオンを取り上げました。今回は、私の大好きなKDDIを取り上げたいと思います。
KDDI(9433)
KDDIは言わずと知れた3台キャリア(docomo, au, ソフトバンク)の一つであるauを提供している会社です。携帯キャリアとしても安定した実績をほこりますが、近年はライフデザイン事業(auでんき、au PAY、auスマートパスプレミアム、auじぶん銀行など)が好調で、安定した業績、成長を続ける素晴らしい企業です。かのバフェットも、コロナ禍で米国の通信株であるベライゾンに投資していますが、日本で有力な通信会社で、高配当利回り株としては私はKDDIを推しておきます。KDDIは連続増配株でも有名で、20年連続で増配し、来期も増配予定です。(2022/05/23現在)また、自社株買いも積極的に行っています。
ここ最近の業績
KDDI | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
経常利益 | 1兆102億円 | 1兆206億円 | 1兆380億円 | 1兆644億円 |
利益水準が高いのも素晴らしいですが、それが右肩上がりなのも素晴らしいです。2022/05/23時点で、楽天モバイルの0円終了が発表されたばかりですので、ユーザーがある程度流れて新規の顧客を獲得する可能性もあります。
株価指標
2022/05/23の終値4548円で、PER 14.56、PBR2.02となっています。予想配当利回りは2.97%です。現在の株価水準でも割安感はありますが、できれば配当利回り4%前後(株価で言うと3375円)で購入できるといいですね。しかし前述のように連続増配株ですので、仮に現在購入しても将来の配当利回りはどんどん上がっていく可能性があります。
(*割安の基準はPER<15, PBR<1.5であると、私の株式投資の話~高配当利回り投資について - Dr.Dのお金の点滴で説明しました)
魅力的な株主優待
KDDIもまた魅力的な株主優待があり、100株以上保有で3000円相当の、1000株以上で5000円相当のau PAYマーケットのカタログが届きます。さらに5年以上保有した場合100株以で5000円相当、1000株以上で10000円相当のカタログにグレードアップするというお得つきです。オリックスの株主優待廃止が投資家の間でショッキングなニュースとしてにぎわいましたが、KDDIは自社商品のPRにもなりますので優待は続くのではないかと予想しています(そういう意味ではイオンも)。優待を楽しみながら長期保有したいですね。
終わりに
今回は抜群の安定性と配当、株主優待が魅力なKDDIについて解析しました。現在割高だとして買い場が来るまで待つか、連続増配に期待して今の価格で買うか、非常に悩ましい銘柄です。お勧めには変わりないので、株価から目が離せませんね。
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個別銘柄解析~イオン(8267)
こんにちは、Dr.Dです。前回は、個別株分析として三井物産を取り上げました。今回は、おすすめの1つであるイオンを紹介したいと思います。
イオン(8267)
イオンは総合スーパーマーケットとして言わずと知れた存在だと思います。あなたの家の側にもあるのではないでしょうか?近年スーパーマーケットは、より便利なコンビニや、ユニクロ、ニトリ、無印良品などの専門店に顧客を奪われ、衰退すると言われていました。それが、それに対抗するのではなく、共存することでスーパーマーケットの中でも一人勝ちしようというのがイオンです。上記の専門店は、そもそもイオン内にみたことがある方も多いと思います。イオンは、不動産業として専門店を積極的に誘致し、その賃料をもらうことでビジネスを成り立たせています。以下は、イオンの部門ごとの収益や利益を表しています。
注目すべきは、ディベロッパー(不動産部門)、総合金融事業(イオン銀行など)の利益がそれぞれ22.2%, 35.4%もあることです。これだけで利益の半分を確保しています。消費者にとって魅力的な空間を作り出し、なおかつ利益を得ている素晴らしいビジネスモデルだと思います。うちも子どもは買い物の時は断然イオン派です。
ここ最近の業績
イオン | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
経常利益 | 2151億円 | 2058億円 | 1388億円 | 1670億円 |
コロナの影響を受けた2021年は経常利益がマイナスとなっていますが、盛り返してきました。来期の1年の経常利益は2000億円~2100億円の予想です。コロナ禍がもう少し落ち着けば、消費の回復で更なる成長が期待できそうです。
株価指標
2022/05/20の終値で、PER 70.33、PBR2.02となっています。予想配当利回りは1.57%です。この数字を見ると、全然割安ではないし、高配当株でもないじゃないか!と怒られそうです。イオンは旧ダイエーなど比較的採算の悪い部門の再建も行っており、結果的に売り上げに対して利益が少なくなっています。しかし、数年でそれを解消したとき、イオンの真の価値を数字でも見ることができるのではないかと思います。
(*割安の基準はPER<15, PBR<1.5であると、私の株式投資の話~高配当利回り投資について - Dr.Dのお金の点滴で説明しました)
魅力的な株主優待
それではなぜ、高配当利回り投資の本ブログでイオンを紹介したかですが、株主優待がとても魅力的なんです。株を保有するとオーナーズカードが進呈され、保有数に応じてイオンでの買い物のキャッシュバックを得ることができます。下図にまとめました。
100株以上 | 500株以上 | 1000株以上 | 3000株以上 | |
還元率 | 3% | 4% | 5% | 7% |
私は食費、日用品などほとんどをイオンでまかないますので、年間で120万円ほどイオンで買い物しています。3%が還元されるので、年間3.6万円ほどキャッシュバックされます。2022/05/20終わり値で計算した配当利回りは15.7%にもなり、わずか6.34年で株の買い付け額を回収することができます。あと6年でイオンが倒産してなくなるとは到底思いませんので、こんなにおいしい話はないです。家の近くにイオンがある方、是非購入を検討してください。
終わりに
今回は成長株としても期待でき、株主優待を含めた配当利回りが異常に高いイオンをお勧めさせていただきました。私の持つ株の中で唯一PER,PBRなどの株価指標が割安ではありませんが、むしろ一番魅力的と考えている会社かも知れないです。2022/05/20現在株価の水準も安いと考えますので、是非購入を検討してみてください。
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個別銘柄解析~三井物産(8031)
こんにちは、Dr.Dです。前回までで、私がどのように高配当株式投資を信じるようになったかお話してきました。本当は高配当株式投資にあたり参考にしてほしい本があと2つありますが、一度個別銘柄解析シリーズに移ろうと思います。
三井物産(8031)
日本で有名な5大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)の1つです。総合商社は資源関連株とみられることもあり、実際に資源(原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、銅、ニッケルなど)で大きな利益をあげています。しかし、ここ最近の資源高になるまえの数年でも過去最高益を更新しており、コンビニやアパレル、食品業なども手掛けることで資源以外にも収益力良好な、まさに総合商社です。
魅力的なLNG(液化天然ガス)事業
5大総合商社の中でも、LNG(液化天然ガス)業に強みを持つ三井物産です。主にカタールやオマーンなどで、その事業を展開しています。私が液化天然ガスに注目する理由は、人類が通る道として不可欠と考えているからです。現在ESG(環境、社会、企業統治)というものが重視され、特に環境は非常に大事で、環境に配慮しない会社は大口機関投資家の対象から外れることがあります。人類は2050年までで自然エネルギー(例えば太陽光、風力や水力など)をメインにする目標を定めており、私はそれも不可能ではないと考えますが、すぐに切り替えることは不可能です。移行期間としてどうしても環境汚染の少ない代替エネルギーが求められます。
また電力の重大な欠点として、保存がきかない点にあります。電池というものはありますが、未だに莫大な電力を保存できる技術はありません(だから大規模停電などが起こり得ます)。つまり需要と供給が一致している必要があり、仮に自然エネルギーがメインになったとしても、電力を安定的に調整できないため需要と供給のバランスを満たすための調節電源が求められます。
その両方を満たしうるのがLNG(液化天然ガス)です。石炭と比べて環境に良いこと、また調節にもガスの力は適しています(バーベキューで火力の調節は難しいですが、ガスコンロでの火力の調節は自由自在、そういうイメージです)。加えて世界には有効利用されないで破棄される天然ガスが多量に存在します。液化天然ガスの技術が優れているのは日本や韓国くらいで、国としての売りにもなり得る事業です。少なくとも10年~数十年のレベルで、LNG(液化天然ガス)は人類にとってありがたい武器となるでしょう。
ここ最近の業績
三井物産 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
税引き前利益 | 5843億円 | 5343億円 | 4502億円 | 1兆1644億円 |
上記の通り、コロナの影響がでた2021年3月期は少し減益ですが、2022年3月期はここ最近の資源高もあり大幅に増収しています。経営は好調です。
株価指標
2022/05/19の終値で、PER 6.11、PBR0.87となっています。予想配当利回りは3.93%です。5大商社は*PER, PBRの点から割安であり、現在株価でも十分購入候補になります。私は配当利回り4%前後(株価で3000円)が買いの目安ととらえています。
(*割安の基準はPER<15, PBR<1.5であると、私の株式投資の話~高配当利回り投資について - Dr.Dのお金の点滴で説明しました)
終わりに
今回はここまでにします。まずは実際に私が実際に保有している株から分析していこうかと思います。
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私の株式投資の話~高配当利回り投資について
こんにちは、Dr.Dです。前回は株式投資法の分類についてお話し、その特性に合った取引をするべき、というお話をしました。今回はいよいよ高配当利回り投資について少しお話したいと思います。
この記事が役に立つ方
・色んな投資のタイプがあるけど、どれが自分に一番良いかわからないという方
・高配当利回り投資に興味があるけど、踏み切れない方
難しかった2021年の相場
以前も書いた通り、2021年の相場というものは、私には少し難しく感じるものでした。あとから見れば日経平均はボックス圏で推移しており、ある意味トレードをしやすい環境であったのかも知れませんが、2020年の上昇相場でもそこそこの利益しかあげられなかった私にはチャレンジする気も起きませんでした。そうなると市場に参加することもなくなり、とても暇でさみしい気持ちになりました。そういうつらい時こそ株について何か勉強しようと思い、
に出会って高配当利回り投資にはまっていきました。高配当利回り投資を始めてみて、非常に優れていると感じた点が、防御力が高い(下落相場で慌てなくてよい)ので相場に居続けることができることです。そうすることで複利(得た利益をまた再投資すること)の恩恵を受けることができます。また、トレードの時よりも銘柄を研究し、その企業が好きになる事が多いです。
高配当利回り投資は防御力が高い?
これは全ての高配当株に当てはまることではありません。中には業績が悪化し、減配していても株価が急落することで見かけ上高配当になっている場合もあります。防御力が高い銘柄を、選定しておく必要があります。高配当株で減配リスクを少なくする条件として
1:時価総額が高い銘柄を選ぶ
2:不況に強い業種(情報通信、医薬、食料、トイレタリーなど)を選ぶ
3:借金が少ない(借金以上の現金同等物がある)
4:収益力(営業利益率が高い)
などがあります。全部を満たす銘柄を自分でみつけるのは大変な時は、少なくとも1の時価総額だけでも高い銘柄を選ぶとスクリーニングできます。2,3はなんとなくわかると思うので解説は不要かと思います。4の営業利益率が高い企業は、そのビジネスをほぼ独占していて、参入障壁が高いと言えます。なので、よほどの革新がなければ安定した収益を生みます。10%を超えていればなかなか優秀ですが、例えばINPEX(1605)などは営業利益率が50%近くあり、なかなか真似できないビジネスをしている企業です。
また、割安な株を買っておくことが非常に大切です。なぜなら元々株価が割安な株は、そもそも企業価値に対して安い水準となっているため、暴落時にも相対的に下落幅が少なくて済むからです。かの有名なウォーレン・バフェット氏の̪̪師として有名なグレアム氏の考案したミックス指数というものがあり、
PER(株価収益率)xPBR(株価純資産倍率)<22.5であれば割安と判断します。
PER=15、PBR1.5の時にミックス指数は22.5ですので、私は単独でPER15以下、PBR1.5以下を割安の基準として考えています。こう見たときに、日本企業というものは割安としてよい収益力のある大企業がたくさんあります。私の持つ株のほとんどが、PER10以下、PBR1以下です。
*PER,PBRについては基本的な本(例えばファンダメンタル投資の教科書)
株下落時の考え方
例えば2022/05/16現在、アメリカ株が売られて下落し、下降トレンドを作っています。アメリカ株は元々PERなどが高く、割高で推移していたため下落も大きくなります。日本でいうとグロース市場(旧マザーズ)の成長株などもそうです。金融相場で景気が良好な時、それらのグロース株(成長株)は期待もあり業績以上に買われますが、一旦下落に転じると、そもそも企業価値以上に買われていた株価の下落は激しくなります。自身の保有株の株価が半分になったとして、保有し続けられるかで考えると、それは難しいような気がします。また景気循環で上がるときが来ますが、うまく売買できるかどうかです。
高配当利回り株であれば、そのようなリスクが相対的に小さくなります。例えば私のポートフォリオは年初来からみて+20%程度ほどで推移しており、むしろプラスで推移しています。ほとんどの銘柄がプラスですが、仮に株価が下がった場合、業績が悪くなければ配当利回りが上がり、買い増しするだけです。そもそも配当を目的とした長期保有なため、目先の株価はそんなに気になりません。現在の下落相場だからこそ、この良さが際立つのではないでしょうか?基本的には永久保持を考えますが、決算で業績が悪くなれば一度売ることも考えます。売買の基準が株価でないことが、防御力をさらに高めてくれます。
勿論いいことばかりではありません。こういった高配当利回り株は景気循環で景気が良い時、あまり見向きもされず、株価が上昇しにくいです。2020年、2021年などがそうでした。そういうみんながグロース株(成長株)に熱中するときに、「つまらない」バリュー株(割安株)を買うことができるかどうかです。
近いうちにくる景気の悪化
景気は下記のようなサイクルに従ってよくなったり、悪くなったりします。
コロナで世界が大打撃を受け、アメリカを筆頭に量的緩和などを行い、コロナショックの株価を支えた2020年あたりは金融相場ととらえてよいでしょう。その後2021-2022年については業績相場で、株価はいろんな要因で上値が重かったものの、景気や企業業績は好調でした。現在アメリカのFRBが金利上昇させているため逆金融相場となります。私は、景気後退して本格的に株価が下がるのは2023年の予想でしたが、いろんな要因が重なり2022年の終わりにこのまま景気後退、暴落につながる可能性も出てきたと考えています。つまり、近いうちに今よりもさらに株価が暴落する可能性があるということです。
日本株に関しては今なお割安なため買い増ししても大丈夫な水準にあると思いますが、入金力をあまり確保できない方は貯金や保有株の一部売却などで、現金を作っておくと暴落時よい買い物ができるかも知れません。
終わりに
今回はとうとう高配当利回り投資について書くことができました。今後は個別銘柄などの解説も交えていけたらと思います。
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投資で成功するために
こんにちは、Dr.Dです。前回までのお話では、私がスイングトレードを経験し、その後高配当利回り投資に興味を持っていったお話をしました。恐らく私は今後もしばらくはこの高配当利回り投資をメインで投資し、できれば更なる成功をしたいと思っています。高配当利回り投資に関わらず、投資に成功するには自分が現在どんな種類の投資を行い、何を狙っているのか、はっきりさせることがとても大事だと思います。
この記事が役に立つ方
・株式投資を行いたいがどんな銘柄をいつ購入し、いつ売却すればよいかわからない方
・投資法にはどんなのがあるの?という方
投資法の分類
投資方法の分類ですが、私個人としては以下のようにざっくり分類しています。
トレードなのか、投資なのかの立場をまずはっきりさせる
あくまで私の個人的な分類なので異論もあるかも知れませんが、まず大事な分類はトレードと、投資(主に長期投資を意味する)をきちんと分類することです。株式市場の中で個人投資家は9割が負ける、という言葉もありますが、一番多い退場パターンはトレードと投資をきちんと分類していないことでしょう。
「ファンダメンタルを勉強し分析したが悪くない、決算も良い、この会社は長期的にみて将来有望だ!」と購入したはいいものの、
1-2週間して株価が5%も下がってしまった、「世の中ではいい投資家は損切をきちんとすると言われているし、損切だ!」と売ってしまう。
購入の時は「投資」の考えで購入したのに、売るときは「トレード」の考えになっています。短期的な株価は、それこそトレード目的の売却や市場の不安、景気循環、決算(内容が良くても株価が下がることまであります)などで上下するうえ、短期的な株価の推移を完全に読むことはできません(予測をしようと頑張る人はいて、それがテクニカル分析です、一定の成果はあるのでしょうが)。一方で長期的な株価は株価指標(PER、PBRなど)や決算の内容で決まっていきます。上記の例では、長期保有すると明確に決めて購入し、何か不測の事態(耐え難い不祥事や許容できない特別損失など)がない限りは保有するのが良かったのだと思います。
トレードの中にはデイトレード、スイングトレードなどがあります。
私の株式投資の話~スイングトレードから高配当利回り投資へ - Dr.Dのお金の点滴
でもお話した通り、私も1年ほどスイングトレードのようなことをしていたことがあります。つまらない、面倒くさい、メンタルが持たないなどの理由で辞めてしまったこともお話しました。グロース市場(旧マザーズ市場)への投資は、株式市場全体のトレンドに従う習性が非常に強く、トレードには向いていると思います。長期保有もできる銘柄も中にはあるのかも知れませんが、それであれば高配当利回り株の方が有望かなと思います。ただもしテンバガー株(株価が10倍以上になる株)を狙うのであれば、グロース市場の優良な成長株への投資が必要かと思います。
高配当利回り投資は、企業業績や基盤がしっかりしている大型割安株(バリュー株ともいう)に投資し、配当をメインの目的とし長期間投資していきます。キャピタルゲインを目的とはしませんが、いい企業に割安な投資ができていれば自然と株価は上昇します。ただせいぜい2倍がいいとこで、既に大型株である優良な高配当利回り株は10倍にはなることはあまり期待できないでしょう。
ピーター・リンチの株で勝つ
ピーター・リンチ氏も有名な株式投資家です。私は分類的には彼をグロース株投資家としてみています。彼のすごいところは、自身や自身の周りにある身近な商品やサービスを見極め、世間や機関投資家が目をつける前に発掘できるという点です。彼のことは「ピーター・リンチの株で勝つ」で良く知ることができます。
アメリカ株中心のお話になりますので企業名が分からないことがあるのがたまに傷ですが、考え方とは非常に面白い部分がありますので、一読の価値ありです。最近はマンガで彼の魅力を伝える本も出ていますので(私は立ち読み程度で購入はしていません)、
そちらの方がスラスラ読めるかも知れません。
ピーター・リンチ氏もやはり株式投資をいくつかのグループに分けて考える必要性を説いていて、6つに分類していると言います。すなわち、
低成長株
優良株
急成長株
市況関連株
業績回復株
資産株
の6つです。
低成長株は、私のいう高配当利回り株に近いものとなります。成長しきって既に大きな会社になり、これ以上は大きな成長も期待できないが安定している企業です。配当利回りが高いことが特徴で、ピーター・リンチ氏は例として電力会社株などを挙げています。言うまでもなく長期投資向けで、買う場合は割安価格で購入したいです。ちなみに、ピーター・リンチ氏はこの属性の株をあまり持っていないと著書で書いています。グロース株投資家ですもんね。
優良株は、低成長株と近いがそれより少し成長が期待できる会社と定義しています。例としてはコカ・コーラなどを挙げています。私の分類ではこの優良株も高配当利回り株に近いと思います。ピーター・リンチ氏はこの属性の株は30-50%も値上がりしたら売却して他の割安な優良株にうつるべきと言っていますが、私はこのカテゴリーの株は長期保有で良いと思っています。
急成長株は、いわゆるテンバガー(株価10倍)を狙うことのできる会社です。私の言うところの成長株に当たります。ピーター・リンチ氏はここら辺を狙うのが非常に上手という印象があります。
市況関連株は、売り上げと利益が循環的に上下する会社で、例としてタイヤ製造会社や自動車、航空会社などが挙げられています。好景気の時は良いが、不況の時の株価の下落も激しい難しい会社となります。ピーター・リンチ氏はタイミングが大事で、実際その業界で働いている人に有利と言っています。
業績回復株はその名の通り、一度業績が激しく落ち込んでそこから立ち直った会社です。当然底の方で株を買えれば株価の上昇が期待できますが、そのまま潰れて上場廃止なんてことになったら最悪です。ピーター・リンチ氏も特に推奨はしていません。コロナ禍での航空株などが近いと思いますが、あえてこのカテゴリーの株を選ぶ必要もないと、個人的には思います。
資産株は、その名の通り資産を持つ株です。例えば不動産ですが、通常のPBRなどに反映されない、確定されていない含み益を持っている企業がいくつかあります。ですので実質PBRは現在の値よりもさらに低いと考えていいのだと思います。日本株で言えば例えばJR東日本(9020)で、鉄道会社なのでイメージないかも知れませんが駅周辺の立地のよい不動産を所有しています。コロナ禍で本業でダメージを受けているため私は所有しておりませんが、コロナ後業績が回復してくれば優良な企業です。私は資産株として住友倉庫(9303)や、イオンモール(8905)などを所有しています。どちらも2022年05/12時点でPBRが1を切る(0.8程度)割安企業ですが、特にイオンモールは不動産の含み益が2000億円以上あり、実質的にはさらにPBRが低く割安と考えることができます。
終わりに
今日は株式の分類法を主に見てきました。どんな投資法も、その特性に合わせた売買(あるいは長期保有)を行わないと、絶対に成果は上がりません。自身の持っている株を、分類してみてはいかがでしょうか?私の簡単な分類に当てはめても、ピーター・リンチの分類に当てはめても良いと思います。
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私の株式投資の話~スイングトレードから高配当利回り投資へ
こんにちは、Dr.Dです。前回は私が積み立てNISAを始め、その後スイングトレードを始めるところまでお話しました。スイングトレードをやってみようと思ったきっかけとして、「株の学校」
理由1:楽しくなかった
今思えばこれが一番大きいかもしれません。勿論最初は株の売買で、短期間でお金が増えるのが嬉しくて楽しい気持ちになりました。ですが、当然勝ってばかりではありませんし、段々どの銘柄が現在売買上位で、明日以降上がりそうかチェックするのが面倒になってきました。職業柄、本業に響くのは避けたいですし。仕事終了後30分程度かけて明日の銘柄選びをするのが習慣になっていましたが、それすら面倒になりました。
理由2:大金を運用できる自信がなかった
トレードには50-100万程度の運用資金を用意し、数十万で購入できる銘柄を基本的には100株ずつ購入し、2-3銘柄でトレードを行う感じでした。これくらいなら抵抗ありませんでしたが、もし運用資金が増えて500-1000万程度運用した場合、同じメンタルで運用できる気がしませんでした。これでは資金が増えず、結局長期投資で複利を味方にする方が安全で効率的な気がしました。
理由3:自分の手法は基本的に上昇相場でなければ成り立たなかった
自分の手法は上昇相場でのみしか取引できないので(株の学校では下落相場では信用取引の空売りを推奨していましたが、信用取引を行う勇気がありませんでした)、基本的に上昇相場でなければノーチャンスでした。ご存じのとおり2020年は絶好の上昇相場でしたが、2021年は上昇と下落を繰り返すレンジ相場というもので、2021年に入ってそもそも「今がチャンスだな」と思わなくなり、自然と取引をやめていきました。結果的にはトレードに向いていた2020年にトレードというものを経験できたのは、自分の成長という意味では有益だったなと思います。
出会った高配当株式投資
2021年に入って相場が読めず、トレードを行う気にもなれず、株式投資からいったん離れて、本を沢山読むようになりました。投資がうまくいかない時、一度相場から離れて、知識を得たいと思うことは非常に大事なことだと思います。私は証券会社は楽天証券を使用していますが、そこで「トウシル」という投資情報が配信されてきます。そこで窪田真之さんと出会ったことが、私の投資マインドを大きく変えました。他の方の投資情報もたくさん流れてくるのですが、不思議と自分が見たいと思う情報はそう多くないものです。私は窪田さんの情報の分析力、文章で納得させる力、考え方、おすすめ銘柄など共感できることが多かったので、参考にさせてもらっています。持っている個別株の銘柄は、窪田さんお勧めの中から自身の基準でセレクトしたものが多いです。
そんな窪田さんは、2021年に「NISAで利回り5%を稼ぐ高配当投資術」
終わりに
今回も文字数多めになってきたのでここまでにしようかと思います。
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私の株式投資の話~積み立てNISA
こんにちは、Dr.Dです。前回までは、月々のキャッシュフローの改善を目的に、固定費の削減方法を紹介してきました。大事なことですが、そろそろ飽きてもきたので少しずつ株式投資の話をしていきたいと思います。私は現在高配当利回り投資がメインですが、そこに至るまでいろいろ経験しましたので、紹介できるといいなと思います。
この記事が役立つ方
・いよいよ株式投資を始めたい!何が一番儲かる?という方
・個別株投資を行うにあたって勉強した方がよいことはある?という方
最初の株式投資~積み立てNISAとの出会い
最初の株式投資との出会いは、2019年、コロナ禍が始まる少し前のお話になります。きっかけは友人のA医師(私の信頼する医師友達の一人で、頻繁に登場させる予定です)に勧められたことがきっかけでした。A医師は積み立て投資至高主義で、個別株投資はあまり行いません。S&P500などアメリカの指数に投資する投資信託が一番成功する可能性が高いと研究結果も出ていますので、これはとても合理的な方法です。もし手持ち資金が少ないのであれば、この積立投資のみを積み立てNISAで行うのが良いでしょう。できれば積み立てNISA枠を使い切る33333円は最低毎月積み立てたいものです。
A医師はアメリカ株(あるいはアメリカ株含む世界株)は、年7%の成長は固いと思っています。少なくとも5%は成長するだろうと(私も少なくとも年5%は成長するだろうと、過去の歴史をみても思います)。それで、月3.3万円積み立てた場合、20年後にはどうなっているかをシュミレーションして見せてくれたことがあります。
年5%成長した場合、月3.3万円の投資とすると投資した金額は792万で、552万円増えて合計1339万円となります。
年7%成長した場合、月3.3万円の投資とすると投資した金額は792万で、893万円増えて合計1675万円となります。
もし本当に年7%で成長した場合は、本当に積み立てNISAのみで老後2000万円問題の大半をカバーしてしまう勢いです。この数字を見せられて、当時は特に株式投資を考えていなかった私ですが、積み立てNISAだけは積み立てる設定をすぐに行いました。その後個別株に興味がでてきて個別株も買うことになりますが、数年経った今効率を求めるなら投資信託を増額する方が有効だと思います。それでも個別株をやりたいのは、面白いから、それ以外に理由がありません。なので、個別株をやってみてつまらない、株価や決算書を見るのが苦痛な方は、積み立てだけやるのも全然ありだと思いますね。
コロナショック後に始めた個別株投資
私が個別株投資を開始したのは、コロナショックの頃の2020年4月頃となります。今思うと投資に絶好のボーナスステージでしたが、この時期に始めたのでそのチャンス自体は潰しました...もしあと1年早く始めていればと悔やまれますが、それはそれで暴落で狼狽売りしていたかも知れないので結果オーライとします。最初は、そもそも投資とトレードがごちゃ混ぜの頭で株式市場の海へ出発したので、まあ後悔するような売買が続きました。
どこかで株式に関するおすすめ本が一目でわかる記事を作成するつもりですが、この頃の私は
「マンガでわかる資本論」
や、以前紹介した「金持ち父さん貧乏父さん」
などで資本主義の構造を理解し、株式投資へのモチベーションを高めて株式投資の海へ航海を始めました。絶対金持ちになりたい、このモチベーションは思ったより大事だと思います。というのも、株式投資を始めるとまず絶対何らかの失敗はしますし、その多くはメンタルによるものだからです。まずはこれらの本でお金持ちになりたいモチベーションを高めましょう。
その後に私は「ファンダメンタル投資の教科書」
最初に買った個別株:eBASE(3835)
最初に買った株ってよく思い出に残るとかって言いますよね。私が何も思い出に残っていないのは、この頃は投資というよりは「トレード」の気持ちで株を買っていたからだと思います。それでもコロナ禍であったというのもあって、株価は堅調な動きを見せていました。結局700円ほどの株価で100株購入し、一時1400円ほどまで上昇しましたが、売り時など考えておらず、1100円程度まで下がってからあわてて売りました。
結局400円ほど、100株で40000円ほど儲けましたので、初めて株を売買した感動は残りました。ただ、売り時の大切さを痛感することになりました。
ちょうどその頃、「株の学校」という本に出会い、「スイングトレード」(1-2週を目安にして株の売買を繰り返すこと)にはまっていきました。
文字数も多くなってきたので、今回はこの辺で終わろうと思います。今回は私の株式投資の歩みの中で投資信託と個別株を始めるまでのお話をしました。
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