Dr.Dのお金の点滴

医師による節約や株式投資のこと

私の株式投資の話~高配当利回り投資について

 こんにちは、Dr.Dです。前回は株式投資法の分類についてお話し、その特性に合った取引をするべき、というお話をしました。今回はいよいよ配当利回り投資について少しお話したいと思います。

 

この記事が役に立つ方

・色んな投資のタイプがあるけど、どれが自分に一番良いかわからないという方

・高配当利回り投資に興味があるけど、踏み切れない方

 

難しかった2021年の相場

 以前も書いた通り、2021年の相場というものは、私には少し難しく感じるものでした。あとから見れば日経平均はボックス圏で推移しており、ある意味トレードをしやすい環境であったのかも知れませんが、2020年の上昇相場でもそこそこの利益しかあげられなかった私にはチャレンジする気も起きませんでした。そうなると市場に参加することもなくなり、とても暇でさみしい気持ちになりました。そういうつらい時こそ株について何か勉強しようと思い、

 

に出会って高配当利回り投資にはまっていきました。高配当利回り投資を始めてみて、非常に優れていると感じた点が、防御力が高い(下落相場で慌てなくてよい)ので相場に居続けることができることです。そうすることで複利(得た利益をまた再投資すること)の恩恵を受けることができます。また、トレードの時よりも銘柄を研究し、その企業が好きになる事が多いです。

 

配当利回り投資は防御力が高い?

 これは全ての高配当株に当てはまることではありません。中には業績が悪化し、減配していても株価が急落することで見かけ上高配当になっている場合もあります。防御力が高い銘柄を、選定しておく必要があります。高配当株で減配リスクを少なくする条件として

 

1:時価総額が高い銘柄を選ぶ

2:不況に強い業種(情報通信、医薬、食料、トイレタリーなど)を選ぶ

3:借金が少ない(借金以上の現金同等物がある)

4:収益力(営業利益率が高い)

 

などがあります。全部を満たす銘柄を自分でみつけるのは大変な時は、少なくとも1の時価総額だけでも高い銘柄を選ぶとスクリーニングできます。2,3はなんとなくわかると思うので解説は不要かと思います。4の営業利益率が高い企業は、そのビジネスをほぼ独占していて、参入障壁が高いと言えます。なので、よほどの革新がなければ安定した収益を生みます。10%を超えていればなかなか優秀ですが、例えばINPEX(1605)などは営業利益率が50%近くあり、なかなか真似できないビジネスをしている企業です。

 

 また、割安な株を買っておくことが非常に大切です。なぜなら元々株価が割安な株は、そもそも企業価値に対して安い水準となっているため、暴落時にも相対的に下落幅が少なくて済むからです。かの有名なウォーレン・バフェット氏の̪̪師として有名なグレアム氏の考案したミックス指数というものがあり、

 

PER(株価収益率)xPBR(株価純資産倍率)<22.5であれば割安と判断します。

 

PER=15、PBR1.5の時にミックス指数は22.5ですので、私は単独でPER15以下、PBR1.5以下を割安の基準として考えています。こう見たときに、日本企業というものは割安としてよい収益力のある大企業がたくさんあります。私の持つ株のほとんどが、PER10以下、PBR1以下です。

 

*PER,PBRについては基本的な本(例えばファンダメンタル投資の教科書)

 

株下落時の考え方

 例えば2022/05/16現在、アメリカ株が売られて下落し、下降トレンドを作っています。アメリカ株は元々PERなどが高く、割高で推移していたため下落も大きくなります。日本でいうとグロース市場(旧マザーズ)の成長株などもそうです。金融相場で景気が良好な時、それらのグロース株(成長株)は期待もあり業績以上に買われますが、一旦下落に転じると、そもそも企業価値以上に買われていた株価の下落は激しくなります。自身の保有株の株価が半分になったとして、保有し続けられるかで考えると、それは難しいような気がします。また景気循環で上がるときが来ますが、うまく売買できるかどうかです。

 

 高配当利回り株であれば、そのようなリスクが相対的に小さくなります。例えば私のポートフォリオは年初来からみて+20%程度ほどで推移しており、むしろプラスで推移しています。ほとんどの銘柄がプラスですが、仮に株価が下がった場合、業績が悪くなければ配当利回りが上がり、買い増しするだけです。そもそも配当を目的とした長期保有なため、目先の株価はそんなに気になりません。現在の下落相場だからこそ、この良さが際立つのではないでしょうか?基本的には永久保持を考えますが、決算で業績が悪くなれば一度売ることも考えます。売買の基準が株価でないことが、防御力をさらに高めてくれます

 

 勿論いいことばかりではありません。こういった高配当利回り株は景気循環で景気が良い時、あまり見向きもされず、株価が上昇しにくいです。2020年、2021年などがそうでした。そういうみんながグロース株(成長株)に熱中するときに、「つまらない」バリュー株(割安株)を買うことができるかどうかです。

 

近いうちにくる景気の悪化

 景気は下記のようなサイクルに従ってよくなったり、悪くなったりします。

 

コロナで世界が大打撃を受け、アメリカを筆頭に量的緩和などを行い、コロナショックの株価を支えた2020年あたりは金融相場ととらえてよいでしょう。その後2021-2022年については業績相場で、株価はいろんな要因で上値が重かったものの、景気や企業業績は好調でした。現在アメリカのFRB金利上昇させているため逆金融相場となります。私は、景気後退して本格的に株価が下がるのは2023年の予想でしたが、いろんな要因が重なり2022年の終わりにこのまま景気後退、暴落につながる可能性も出てきたと考えています。つまり、近いうちに今よりもさらに株価が暴落する可能性があるということです。

 日本株に関しては今なお割安なため買い増ししても大丈夫な水準にあると思いますが、入金力をあまり確保できない方は貯金や保有株の一部売却などで、現金を作っておくと暴落時よい買い物ができるかも知れません。

 

終わりに

 今回はとうとう高配当利回り投資について書くことができました。今後は個別銘柄などの解説も交えていけたらと思います。

 

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