Dr.Dのお金の点滴

医師による節約や株式投資のこと

住宅は資産なのか負債なのか

 こんにちは、Dr.Dです。前回の話では、保険による固定費の削減を提案させていただきました。本日は、住宅は資産なのか、負債なのかという話をさせていただこうと思います。携帯、保険、住宅...固定費の話はこのくらいで一旦区切ってよいでしょう。次回からは徐々に株式投資の話を絡めていきたいと思います。

 

この記事が役に立つ方

・住宅やマンションの購入を考えているが、ネットで住宅やマンションは”負債”だという人がいる。買わない方がいいの?という方

・既に住宅やマンションを購入したが、ネットでそれは”負債”だとみて不安な方

・資産とか負債について簡単に知りたい方

 

住宅は買わない方がよい?

 住宅やマンションの購入を考えている方、あるいは購入したばかりだけどネットを見回せばそれは負債だと書いてあり不安になる方いらっしゃいますか?せっかくマイホームを手に入れたのに...なんとなく晴れない気持ちでいたら損ですよね。住宅に関しての私の結論は、「買っても良い」、ただし当然ですが「返済できないローンは組むな」です。ちなみに、私は新築戸建てを注文住宅で購入しています。まずは、よく議論になる住宅やマンションが資産なのか負債なのかの考察から入りましょう。

 

資産と負債~貸借対照表

 私は、高校時代から医学部を目指して勉強していたため、勉強は必然的に理系科目に偏っていました。授業は勿論最低限カリキュラムを受けていますが、そもそも国語や社会科にはあまり興味も持てませんでした。そのまま高校を卒業し、大学の一般教養も社会科の科目はほぼありませんでしたので、「資産」と「負債」なんて言葉を意識し始めたのは恥ずかしながら医師になり、お金が足りなくなり、株式投資を始めたいと思ってからです。株式投資を始めるにあたって、かの有名なロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだことがきっかけでした。

 

 この本の中では、資産は私のポケットにお金を入れてくれる負債は私のポケットからお金を取っていくと定義しています。簡単ですね。この定義に従うならば、住宅というものは住宅ローンで我々のポケットからお金を取っていきますから、まぎれもない”負債”と定義できます。

 

 では、住宅やマンションが”資産”という方もいらっしゃいますが、それはなぜでしょうか?原因はいろいろありますが、実は決算書などに記載される本物の貸借対照表では、形式上土地や建物は”資産”に入るからです(住宅ローンや固定資産税は別途”負債”に入ります)。加えて、本当に住宅を資産と呼んでいい場合もあるでしょう。例えば、都心部の立地、交通の便がよい価格崩れしないマンションを購入し、数年間住んだとしても同等以上の価格で売却できる見込みがある場合、資産と考えても良いでしょう。これは稀なケースで、通常は当然購入した瞬間から価格は下がり続けます。新築戸建てなどは残念ながらこの視点で言うと資産にならない可能性の方がはるかに高いです(ただし土地部部分に関しては価格に応じた価値が残ります)。

 

 総合的に考えても、私の結論も住宅は”負債”という結論で異論ありません。そして資産、負債については少なくとも自分の事を考える場合は金持ち父さん、貧乏父さんの定義を用いると考えやすく実情に合っていると考えます。

 

住宅の購入はそんなに悪か?

 ただ、住宅は生きていくのに欠かせないものですから、購入がそんなに悪かというとそうでもないと考えています。現在格安物件で満足している独身のかた、そういう方には単なる贅沢かも知れませんが、LDK以上に住もうとする子持ちの方は不動産価格が高騰する現在住宅を購入した場合の方が安い場合があります。

 私は職業柄頻繁に転勤がありますが、築30年のマンションや戸建てを借りるより、新築の戸建てを建ててローンを支払う方が月々の支払いが25%程安くなる地域で、ありえないと思い新築購入してしまいました。勿論住宅ローンは借金であり負債であることは間違いなく、特に不動産投資など考える場合はローンが借りれなくなる可能性もあり注意が必要ですが、私のように不動産投資は考えない方であればよく検討して購入しても良いと思います。

 

 

払えるローンの金額

 払える住宅ローンはどれくらいでしょう?一般的には家賃は月収の30%以下が望ましいとされています。実際には固定資産税や将来の修繕のための積み立てもありますので、25%以内がベストだと思います。今回は新築戸建てに限定して考えたいと思います。マンションは管理費、駐車場費、確定で取られる修繕積立費などあり、新築戸建てよりさらに維持費がかかることを追記しておきます。ネットで検索すると年収と手取りの対応表がでます。人によって税金など微妙に異なりますが、今回は

 

年収500万円ー手取り387万円

年収700万円ー手取り524万円

年収1000万円ー手取り722万円

年収1200万円ー手取り850万円

 

という仮定のもとそれそれ住宅ローンがいくらまで余裕をもって払えるのか検討してみます。ダブルインカムの方は収入を合算して考えればよいでしょう(ただし出産などで一時的に働けなることには注意してください)。

 

年収500万円の場合

 月々の手取りは387/12=32.2万円となります。したがって、

手取りの25%=8.06万円

手取りの30%=9.67万円

となります。土地が安く抑えられる、あるいは既にお持ちでしたら、十分な家が建てられそうです。そうでなければ、理想の家に住むには頭金の用意が必要かも知れませんね。

 

年収700万円の場合

 月々の手取りは524/12=43.6万円となります。したがって、

手取りの25%=10.9万円

手取りの30%=13.0万円

となります。この水準までくると、十分な住宅が建ちそうですね。

 

年収1000万円の場合

 月々の手取りは722/12=60.1万円となります。したがって、

手取りの25%=15.0万円

手取りの30%=18.05万円

となります。この水準までくると、高級ハウスメーカーを除けば、ある程度選んで家を建てれるのではないでしょうか?

 

年収1200万円の場合

 月々の手取りは850/12=70.8万円となります。したがって、

手取りの25%=17.7万円

手取りの30%=21.25万円

となります。高級ハウスメーカーに手が届きそうな水準に近いでしょうか?

 

ちなみに、住宅ローンの金利1%、元利均等、頭金なし、ボーナス払いなし、35年ローンの場合

 

4000万の住宅=112914円/月

5000万の住宅=141142円/月

6000万の住宅=169371円/月

7000万の住宅=197599円/月

8000万の住宅=225828円/月

 

となります。年収1200万あったとしても6000万以内に抑えれるのが理想ですね。無理すれば、8000万近くまでいけるでしょうか?ちなみに、銀行によっては年収の8倍近くまでローンを組めるところもありますがこの計算みても少し無謀ですね。住宅のために極貧生活を強いられるのもつらいので、身の程にあっていて気に入った家に住めるように工夫しましょう。

 

終わりに

 住宅は負債だと私も思っていますが、マイホームには満足し、エンジョイしています。子どもも、伸び伸び育っています。しっかり計算して無理ない範囲で建てるのであれば私は全然ありと思います。皆さんはどうでしょうか。

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