Dr.Dのお金の点滴

医師による節約や株式投資のこと

固定費の削減~保険編

 こんにちは、Dr.Dです。前回は固定費の削減として固定費の削減~携帯電話編 - Dr.Dのお金の病院を提案させていただきました。次は保険についてお話したいと思います。最初に断わっておくと、私は保険に入ること自体は反対ではなく、それぞれの家庭の事情やリスクに応じることは間違いではないと思っています。しかし「医師の私が株式投資を始めるまで」でもお伝えした通り、あまりにも多くの保険で家計を圧迫しては、本末転倒です。今回は実体験から保険を見直す方法をみていきます。

 

この記事が役に立つ方

・何となく保険にはいってしまったが、家計を圧迫している気がする

・保険費を見直したいが、どれがいらないのか判断が難しい

 

どの保険が必要なのか

 まずはどの保険が必要なのかですが、これは各々の事情で異なるというのが本音です。「そんなこと言ったら話は終わりじゃないか」と言われそうですが、残念ながらはっきりとした正解はないと思います。しかし頭に入れておいて欲しいのは、保険商品は基本的に期待値がマイナスであるということです。当たり前のことですが保険の期待値がプラスであったなら、保険会社はつぶれます。保険会社とかセールスの方って綺麗だし、広告費もふんだんに使ってなんだか景気が良さそうですよね。それを生み出しているのがまさに私たちの保険料というわけです。

 

 それでも保険に入るのは日本人の万が一に備える慎重な性格が関係していると思います。同じく期待値がマイナスのギャンブル((競馬:約65%、パチンコ:約80%など)には不快感を示すことが多いのに、保険はありがたがるのも日本人の特徴かも知れません。なので期待値で考えると、保険は入らなくていいという極端な結論になります。ですが、現実として家庭の事情などでそうもいかないと思います。一度保険がゼロでも良いという前提にたって、「こういう状況になると困るな」というものだけ残せばよいでしょう。

 

積立型保険は微妙?

 「医師の私が株式投資を始めるまで」で紹介した通り、私の最初に契約した保険は夫婦二人の死亡保険、お墓の積み立て保険、医療保険、子どもを授かっていたので学資保険、オーストラリアドルの積み立て保険で大体月5万円程度でした。それに加えて積立型の死亡保険を10万円ほどで、月に15万円ほど払っていたことになります。

 

 この「積立型保険」ですが、保険と投資の悪いところを組み合わせたような商品に思えるので、個人的にはあまりお勧めしません。例えば、積立型保険で返還される保険料が106%だったと仮定します。

 

「死亡保障も得られて、積み立てた金額が106%になって返ってくる、最高じゃないか!」

 

 このように考える方はいらっしゃいますか?私の例で言うと、月々10万、30歳から65歳まで35年間コツコツ積み上げたとします。支払った金額は4200万(!)となります。これの106%還元されるとなると4452万になって返ってくることになるので、死亡時の保証を得ながら252万円得したことになります。確かに貯金よりはいいかも知れません。これは現在の日本の預金金利がゼロに近いくらい低いことに起因します。

 

 ですが、株式投資であれば年間5%くらいのリターンが見込めると言われており、その場合複利(利子によって増えた分にも利子がついて、お金の増えるスピードが増すことと、と今は理解していただければと思います)効果で資産が倍増します。試しに月10万円積み立てて、毎年平均5%で資産が増大するとすると、支払った金額は当然4200万で同じですが、得られるリターンはなんと6932万円となります。2732万円得したことになり保険の場合の10倍儲かっていますね。現実にはこれに現在の税率で言うと税金が20.315%かかりますので555万ほど税金がかかり、手元には6377万円残り、2177万の利益を得ることになります。

 

 例えば、この運用を保険会社がそのまま行ったとして、被保険者に4452万払ったとすると、保険会社は1925万円ものお金を労することなく生み出していることになります。景気がいいわけですね。

 

 勿論、これは過程の話です。実際は原本割れする可能性も当然ゼロではありません。ですが、例えばアメリカの株価の代表指数であるS&P500などは過去35年でみても右肩上がりで、勿論下がることもありますが35年など長期のスパンで見た場合上がる可能性の方が高いと判断できます。

 

 ちなみに、上記の計算でやはり死亡保障が欲しいとのことで月々5000円の掛け捨て保険を契約した場合、210万円支払いますので、それでも1967万の利益が出ているわけですね。これが現在積立NISA(非課税で積立投資できる制度)などが流行っている理由です。名前くらいは聞いたことがあると思います。

 

 

我が家の保険の話

 上記の理由により、我が家では積み立て型の保険は全て解約(あるいは支払い済みに)しました。今は必要な分を必要な分だけ掛け捨てしています。具体的には、私の死亡保険、就業不能時保険、家族全員分の医療保険となっています。合計金額的には24270円です。大分すっきりしました。我が家は元々保険に支払いすぎであったこともあり、これで投資の元手を得ることになりました。

 

 ちなみに、これでも高い、無駄だと感じる読者の方はいらっしゃると思っています。例えば上記の内訳で医療保険が8000円を占めます。日本という国はいい国で、高額医療制度で月々の医療費に上限が設定されていますし、そもそも医療費も非常に安い国です。医療保険は無駄だという人も多くいます。ある意味正しいですが、現在に限るとコロナ禍でいつ誰が感染してもおかしくないですし、我が家は嫁が手術したときに月の医療費が30万近かったこともあり(高額医療制度申請の上で)、加入しています。こういうとこ、日本人ですが各々の判断で良いと思っています。

 

 残りは万が一に備えた死亡保険と就業不能保険です(補償内容が微妙に違う)。これも万が一の時に家族が現状の生活を維持できるように、多めに設定しています。もし必要最低限で良ければもう少し安くはなると思います。期待値的にはマイナスでも、万が一って起こってしまえば当事者には100%なんですよね...そこらへんが難しいところです。

 

終わりに

 いかがでしたでしょうか?元々無駄が多い家計の方は、携帯と保険の見直しだけでも十分キャッシュフローがプラスに向いてくると思います。次回は、住宅の話でもしようかと思います。

 

*お問い合わせはこちら

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSccmOZok24LRFuruXteq9NrUFX5M4cXav8gJo-0jkizQraRuA/viewform?usp=sf_link